良好な体験
局所陰圧閉鎖療法は創傷治癒をサポートするだけでなく、患者と介護者により良い体験を提供するということを多くの研究が強調しています。
ある調査「局所陰圧閉鎖療法: 患者体験の向上 パート3/3」(UptonおよびAndrews)では、NPWT患者が圧倒的に良好な体験をしていると見なされました5。
別の研究6「慢性下肢潰瘍の最先端治療: 陰圧補助閉鎖(V.A.C.)と最新の創傷用ドレッシングとのランダム化比較試験」(Vuerstaekら)では、両群が治療後のQOLの大幅な向上と、最終のフォローアップ時の疼痛スコアの大幅な低下を示しました。しかし重要なことは、 NPWTを使用した慢性下肢潰瘍患者の方が早期に治癒し、ケア関連の経費も少なかったということです。
さらにもう1つの研究7「急性および慢性創傷の管理における、陰圧補助閉鎖技法の臨床的有効性および費用対効果: ランダム化比較試験」(Braakenburgら)では、NPWTを使用した急性創傷および慢性創傷の患者が、他のドレッシングを使用した患者と同等あるいはそれ以上に早く治癒しただけでなく、NPWTは「患者および看護スタッフが快適に過ごせるという重要な優位性」をもたらしました。
快適性の利点は、別の研究8「難しい創傷の治療においてガーゼベースのNPWTが患者と看護体験に与える影響」(Hurdら)」でも裏付けられています。研究者らによって、NPWTでガーゼドレッシングを使用した際、ドレッシング交換の5回に4回は痛みがなく、看護師が「ドレッシング交換が簡単だった」と言い、交換に要した時間も平均して約20分程度だったことが分かりました。
これらの研究により、局所陰圧閉鎖療法はより良い創傷治癒を提供するだけでなく、患者と介護者により良い体験をも提供するということが裏付けられています。