デジタルドレナージシステムは合併症を減らし、胸腔ドレーンの早期抜去を促進する

Arnaud Van Lindenらが実施した「デジタルドレナージシステムによる心臓手術後のドレナージ関連合併症の低減: ランダム化比較試験」の研究では、心臓手術におけるデジタル胸腔ドレナージ・モニタリングシステムの安全性についての根拠が示されました。さらに、胸腔ドレナージ関連の合併症が減ることで、患者にとっても有益であることが示唆されました。この試験は、ドイツの病院の待機的心臓手術患者におけるアナログ水封式システムとデジタル胸腔ドレナージ・モニタリングシステムの潜在的な違いを調査するために考案されました。

知っておくべきこと

  • 胸膜または縦隔の胸腔ドレナージは、標準的な心臓手術後の術後処置です。
  • デジタル胸腔ドレナージ・モニタリングシステムは、患者の治療成果を改善するために、肺手術後の周術期管理のERAS(術後回復力強化)の一環として推奨されています1
  • デジタル胸腔ドレナージ・モニタリングシステムは、手術室から持続的に、高度に制御され中断されないドレナージを提供し2、迅速で客観的な臨床判断を可能にします3
  • デジタル胸腔ドレナージ・モニタリングシステムは、術後段階において、患者に動きやすさと行動の自由を提供します4
  • 心臓手術後の早期離床は、術後合併症を予防し機能的能力を強化し、在院期間を短縮するための重要な措置であると考えられています5
  • 従来から使用されてきたアナログシステム(「水封式」ドレナージシステム)では、患者が動けなかったり、エアリークの主観的な評価のために、エアリークの重症度の定量化6やドレーン抜去の決定に対して、担当者間で大きく意見がばらついていました。7
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  • 安全な胸腔ドレーン管理についての詳細は、よくある質問をご覧ください。

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参考文献

1 Batchelor TJP, Rasburn NJ, Abdelnour-Berchtold E, et al. Guidelines for enhanced recovery after lung surgery: recommendations of the Enhanced Recovery After Surgery (ERAS®) Society and the European Society of Thoracic Surgeons (ESTS). Eur J Cardiothorac Surg 2019;55:91-115.

2 Barozzi et al., 64th European Society for Cardiovascular and Endovascular Surgery (ESCVS); Volume 56 Supplement 1 No 2, April 2015

3 The benefits of digital air leak assessment after pulmonary resection: Prospective and comparative study. Mier JM, Molins L, Fibla JJ, Cir Esp 2010, 87(6):385-9.

4 Danitsch D. Benefits of digital thoracic drainage systems. Nurs Times 2012;108:16-7

5 Ramos Dos Santos PM, Ricci NA, Suster ÉAB, et al. Effects of early mobilisation in patients after cardiac surgery: a systematic review. Physiotherapy 2017;103:1-12.

6 McGuire AL, Petrcich W, Maziak DE, et al. Digital versus analogue pleural drainage phase 1: prospective evaluation of interobserver reliability in the assessment of pulmonary air leaks. Interact Cardiovasc Thorac Surg 2015;21:403-7.

7 Varela G, Jiménez MF, Novoa NM, et al. Postoperative chest tube management: measuring air leak using an electronic device decreases variability in the clinical practice. Eur J Cardiothorac Surg 2009;35:28-31.

8 https://aktuelles.uni-frankfurt.de/menschen/herzchirurgie-unter-neuer-leitung/

9 https://www.kerckhoff-klinik.de/fileadmin/Verwaltung/SQB_fuer_Homepage_181115.pdf, Page 23